阪神18ばっか6鞍もやってんじゃねえよ(後編)

 そんなわけで、続きです。

 なんかタイトルが変わったような気もするが気にしない気にしない。

 

 

Sono1

 

 今年の阪神芝18レースのラップを一挙全掲。さて、全部で26レースあったこの条件のうち、先週・今週と幸が逃げてテン3F35秒を切った3つのレースはそのまま今年のテン3F速いほうベスト3である。残り19レースでテン3F35秒未満はわずかに一度。ちなみにそのときのジョッキーは藤岡康太・16着。・・・ああ、なんか納得。

 当時のレースは未勝利戦でまあ行ってみるしかないなのかかかっちゃったのかしらないが、テン速いあとは真ん中3つは38.3と見事に緩むメリハリレースで、時計も標準というところだが、今開催の3Rはベスト3のテン3つに加えて中3つもベスト3クラスの速さ。それでいてラスト3つは35秒ちょいで収まっているという。

 たしかに秋の開幕馬場(>春は最初の開催がいやに芝丈が長く連続開催意識してわざと芝を残した印象もあった)で、今年一番の時計が出るだけの環境にあるのは間違いないところだが、これだけ普段の3分割ラップと異なる傾向が出てしまうとちょっとこのあとの開催に注目してみたいところ。・・・ま、某騎手一人の話かもしれないんですけど。

 

 それにしても、こうして春からのラップと位置取り並べてみるといかにこの条件、「(前で)溜めて上がりを使う」が重要かがよくわかる。26レースもサンプルとって、青(3角7番手以下⇒4角6番手以内)がひとつもないなんてどういうことなんだか。3分割の中だるみがはっきりしているだけに、前につけても中盤で脚を溜められるので、上がりをまとめられる。瞬発力最重要条件とはいっても二桁位置取りではそうそう間に合わず、後ろが届くのはテン3つがそれなりに速くなるメンバーのときのみと言い切っていいと思う。本来の阪神外18はそれがあるべき姿だろう。

 で、個人的な反省を言うと、というつもりで臨んだ土曜のローズSがああいうハイラップレース、先週のモルガナイトの500万とあわせ、「いつも以上に上がり偏重の新馬・未勝利」と「オーバーペースの上級条件」というスタンスで臨んだ日曜だったが・・・、速い馬場の割りに内がもうひとつで外が素直に伸びたという感想。

 

 西宮Sなどはさすがにレースが壊れた感じ。本来、ナムラクレセントは軽い瞬発力が身上の馬という感じではなく、切れはあっても重苦しいイメージ。馬群をロスなく抜けたのはあるけれど、この馬がこの条件で上がり2位というのは道中が厳しくなった恩恵に尽きそう。後はひたすら厳しい道中を後方で動かず耐えた馬の上位独占。

 ローズSのレース回顧等はもうあちこちでさんざんやってるでしょうから、ここではあっさりスルーして、ここで考えるべきはこれから穴の香り漂う馬は?、ということですよね(笑)

 先週のモルガナイトの500万、ローズS、西宮特別。この3つの普段と違う匂いの阪神18戦から今後狙える馬は・・・、という話なんだけど、ここでピックアップするのは非常にわかりやすい馬。で、このままその話にしてもいいけど、せっかくなので別カテゴリをこしらえましたので続きはそちらということにしておきましょう。

 

 さて、土曜の野路菊S。

 上にあげた同コース26レースで、上がり3F33.5は最速です。唯一、同じく33秒台の33.7というレース上がりになったのは2回8日のはなみずき賞(3歳500万)、ゆったりと逃げたロードロックスターがそのまま一番スムーズに(>コース取りも、スパートのタイミングも)ラストをまとめて上がり33.7、という逃げ馬が自分で作った時計。

 上がり時計が極端に速くなるレースというのは、こういうあまり上級とはいえない条件で好きに逃げた馬がたたき出すケースが多くなります。ま、逃げ馬ならそもそも外に廻したり他馬を交わすために無駄足使わんでいいわけで。

 野路菊Sでは、9頭立ての4・5番手という前に何頭か置いて追いかける形のリルダヴァルがたたき出した上がり33.5、自身は上がり33.2。これ、今年の(>このコース)最速上がりタイ。先のはなみずき賞で上がり最速のラルーチェが出したものだけど、道中位置取りは-11-10と後方に控えてのもの、残り3F地点の通過時計もラルーチェが1秒3遅いだけに、価値は段違い。

 (追記:ラルーチェのはなみずきは上がり33.3、文句なし今年最速上がりでした)

 11.3-11.0-11.2という緑3つの並びも他に例をみないが、さらに観た印象で感じたのは、まさにそうなるように上がり3つを無理な追い方・ギアの上げ方することなく狙い通りに3つ時計をそろえて走りきった感すらあること。最後方から溜めてとにかく最後の爆発力重視という注文のつくレースじゃなく、あえて中段で前と後ろを両睨みで警戒しつつ上がれるあたり、競馬は相当しやすいだろうし、2歳馬としてはかなり大きな強みだろうなあ。

 

 で、ちょっと話が戻って、この馬の勝ちあがり戦と、エントリでも触れたエイシンアポロン組の未勝利戦、それから土曜新潟2Rの18戦。ラップ並べるとこんな感じだ。

 

Sono2

 

 野路菊Sで人気をわけあったリルダヴァルとエイシンアポロン、土曜新潟2Rで激突したヒットメーカー(>リルダヴァル新馬の2着)とニシノマナザシ(>エイシンアポロン未勝利の2着)。同じ小倉18上がりでも、この2つのレースは全くラップ構成が異なる。

 リルダヴァルの新馬は1~5Fが笑うくらいスロー。さすがにコーナーで後ろの馬が進出開始して上がり4つのスパートながら、11.8-11.8-11.4-11.5と最後まで止まっていないのが非凡。上位3頭はデビュー戦から小回りを少し長めに脚を使いながら34秒前半の脚を惰性に頼ることなく使ったあたり、「切れ」と「長い直線向き」の気配は感じられる。

 ↓

Sinba1

 

 一方、エイシンアポロンの未勝利は道中12秒後半に落ちることがなく替わりに速いところでも11.8と(>ダッシュの1・2F目は別にして)道中の凹凸が0.6秒という非常に平坦なレースでの持久力勝負。

 ↓

Misyo

 

 未勝利のほうが2秒時計は速いけど、予想エントリでも書いたように、同じ外回り・中だるみで上がり3つが速いレースになりやすい新潟18や阪神18でより直結しやすいのは上がり4つに速い時計を並べて最後まで落ちていないリルダヴァルの新馬のほう。けど逆に、これが中京とか中山だったらエイシンアポロンの未勝利の道中経験と持続力を評価したい。

 今回、エイシンアポロンは控える形になって後方からいまいち切れず。ニシノマナザシは相手より前でレース運びながら直線7馬身置いていかれ。こっちの組の評価ががくんと落ちるかもしれないが、あくまで「外回りの直線の長いコースでの上がり勝負」という舞台であって、それ以外の条件なら逆に評価する手もあるはず。・・・いや、ごめん。東京・京都・阪神でやる限り今回の結果だし、たぶん絶対能力差もありそう。それでも、中山やローカル小回り(>札幌のぞく)ならわからんよと(笑)。

 

 ちなみに、芝外18戦になってからの野路菊Sは過去2回レコードレース、ってレコードに意味ある施行条件じゃないけど、時計自体は結構速い。上のラップにつけた、07年と08年、07年は前に行きたい馬は飛ばしてのテン3つが速いが結果は差しての上がり勝負、08年は中3つが速くテンスローから思い切って脚を伸ばした逃げ切り勝ち。今年は上がり3つが極端に速い超速上がりで止まっていない。近3年がきれいに傾向が分かれましたが、さてこの後どうなることでしょう? 

 

 ことのついでに、話に出てきた新潟2Rも観ておきましょう。

 ↓

Hit

 

 レコード。かなりテンが速めにも関わらず、後ろから3つ目・2つ目に新潟らしい超速ラップ混ぜ込んだゆるみない道中からの瞬発力戦の様相。さすがに最後1Fは13秒と止まった、というか7馬身も開いたらそりゃ流すわなというか。

 本人は上がり34.8で上がって、上がり2位が1秒近く遅い35.7、後は新潟とは思えない36秒台という2歳馬ばなれしたパフォーマンス。前走で上がり4つが速い競馬を前で対応した適正からはちょっとドンピシャすぎて必要以上に過大評価しちゃわないよう気をつけたいところではあるが。

 一方で2着のニシノマナザシ。結果的に2番手で競馬したから2着に残れた気がしてならぬ。ヒットメーカーより後ろで構えてたらエイシンアポロンの野路菊と同じような結果になっていたんじゃないか。こっちの2頭は瞬発力競馬への対応力はやはり疑問な感じで、新潟では前々で運ぶのが最善の策というところに思える。

 

 にわかにハイレベル視されたリルダヴァルの新馬だが、たしかにこの2頭は、「斬れる」・「ギアチェンジが速い」・「速い脚が長く使える」・「小回りOK」と、現時点で他の2歳馬に対して大きなアドバンテージとなりやすい武器が証明されている、というとこかな。先はともかく、春先まではこのへんの武器は使い応えあるからなあ。

 去年の某ハイレベル新馬は、上位3頭が「凄い瞬発力ありますね」という以外はあれだけ見て何か読み取るのは難しい、阪神18の新馬らしい瞬発力戦、でしかなかったけど、今年の小倉18はそれなりに理屈づけはできそうです。個人的には、あのレースでの上がり3F時計はそのまま競走能力の器と≒かなあという気も。

 

 まとめとして、リルダヴァル新馬・エイシンアポロン未勝利のそれぞれ上位3頭に簡単なコメントつけておきます。

・リルダヴァル

 当面、主役を張りそうです。まあ、誰が見ても強いんで、別に私は「自分はいついつから目をつけていた!」的に主張はしませんし、馬券的には今回の野路菊Sでのような接し方すると思います(笑)。

 

・ヒットメーカー

 瞬発力そのものはリルダヴァルに見劣るでしょうし、ロングスパート勝負でも及ばない感じ。間違いなくこっちのほうが大きいところでは厳しいでしょうが、前に行ける分こっちのほうが馬券を買いやすい場面は多いのでは? 今回、35秒台道中経験したことで2戦目の経験値入手はこっちのほうが大きかったような。

 再戦時は出てくるところによりますが、こっちを上位にする可能性が大。

 

・ミッキードリーム(リルダヴァル新馬3着)

 リルダヴァルと同じような位置から、先に動いた分上がり3Fでコンマ3負け。今回の2頭の好走と、去年の例と被るところから、間違いなく次走未勝利では大人気。そして、去年の某レースと違って一定の要素が問われた初戦と思えるだけにたぶんあっさり勝つ(笑)。問題はそのあとどこまで去年の夢に乗っていくかですね。どうせオッズは過剰だろうから、遠くから眺めてます。 

 

・エイシンアポロン

 やはり前に行ってこその馬、溜めてなんぼが早目にわかった分よかったという話かな。中山で買いたいタイプではありますが、スピードそのものが目だってあるというより平均的に脚を使うのが上手、というだけにも思えるので「よし、中山だ」と張り切ってそこで狙うほどの気持ちには・・・。

 

・ニシノマナザシ

 下手をするとまだ未勝利に居座ることになるかも。東京・京都・阪神では切れ不足で勝ちきれず、といって中山では先行力ある馬を食い残すという。2歳未勝利にしてすでに相手なりキングの片鱗感じさせ、将来的には格上挑戦で人気薄で穴、という可能性は十分。3歳の春トライアルとかに1勝馬として出てきたら、たぶん楽しめる。

 

・コウユーユメダンス(エイシンアポロン未勝利3着)

 凹凸少ないラップを10-9-8-5とコーナー押上げで3着にねじ込む。中京でまさに似たようなレースした馬を覚えてるんですが、名前が出てきません。こういう馬、人気にならないんでついつい買っちゃいますがまず再現性低いレースっぷりなので。どっちにせよ、よほど相手が落ちでもしない限り、小回りの人気薄でしか買わないほうがいいです。

 ただし、小倉の上がりのかかる前掛りになった中距離戦でとんでもない穴あけるのはこういう馬。いつか小倉で会いましょう、ま、2・3歳戦はあんまり関係ない話ですが。

この記事へのコメント

  • ソルファ

    どーもです!


    リルダヴァルは残念ながら骨折してしまったようです(汗)

    タキオンの運命なのか、この時期の二歳に上がり33.2は耐えられなかったのですかねえ。
    2009年09月24日 19:29
  • 週末人

    >ソルファさん
     どうもです。うわ、それショック!
     今の段階で先物買いする気は全くなかったすが、しばらくは人気の中心になるのは間違いなかったので、信用するにしても逆らう(>かなり無理して逆らったであろう)にしても、楽しみな馬だったんですが。
     復帰するにしても、この時期棒に振るのは痛いですよね。
    2009年09月26日 23:02

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